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「いや、涼介はダメだ」
「なんでだよ」
涼介に差し出しかけた手を止めて訊いた。
「コイツは何気にけっこうモテるからな。美咲ちゃんを取られかねない」
「別にモテてねぇって」
涼介は否定したが、女子に人気があるのは確かだった。
学年では分からないが、少なくともクラス内では1、2位を争っていた。
「そんなこと言ったって、俺は全く面識ないぜ。むしろ健志郎の方があるだろ、一年のとき同じクラスだったんだから」
海人がそう言うと、健志郎は少し目をそらして答えた。
「おまえ、里海と仲良いだろ。里海は美咲ちゃんと仲良いんだから、その2人を誘えば確実だと思ったんだよ」
そんな健志郎の様子を見て、涼介が笑みを浮かべて言った。
「いいんじゃないか、海人、引き受けてやれよ」
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