第1章

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━━━翌朝、家を出ると、隣の家からちょうど里海が出てきて目が合った。 「あ、おはよ」 里海から声をかけてきた。 「おう」 「朝練無いのに、今日は珍しく早いね。久しぶりに一緒に学校行こっか」 閑静な住宅地を、2人は並んで歩き出した。 小さい頃は毎日のように一緒に登下校していた。 しかし、中学に入った頃から周りに冷やかされるようになり、里海は気にしていない様子だったが、海人はそれが嫌で時間をずらすようになった。 それ以来、中学を卒業するまで、一緒に登下校することは一度もなかった。 だからと言って、仲が悪くなったというわけではない。 学校では普通にしゃべったし、稀に一緒に出かけたりすることもあった。 高校に入ってからは、月に一度か二度、たまたま出会ったときだけ一緒に登校している。
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