第1章

18/54
前へ
/486ページ
次へ
里海と入れ替わりで、同じクラスの翔太が自転車で後ろから追いついてきた。 「よぉ、里海ちゃんと一緒に登校なんて羨ましいな」 翔太は、海人の隣まで来ると、自転車から降り、自転車を押して歩き出した。 「別に。朝、家出たらたまたま一緒になっただけだよ」 「それが羨ましいって言ってんだよ。俺なら毎日待ち伏せするぜ」 「ストーカーじゃねぇか」 翔太は別に里海が好きなわけではない。 女子を話題にするときはいつもこんな感じなのだ。 「里海ちゃん、かわいいよなぁ」 「え~、そうか?」 「おまえは幼馴染みだから気づかないんだよ。男子の間でもけっこう人気あるんだぜ」 「ふ~ん」
/486ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3011人が本棚に入れています
本棚に追加