3011人が本棚に入れています
本棚に追加
それはなんとなく知っていたが、人前で口にすることはなかった。
理由は……自分でもわからない。
なんとなくだ。
翔太が顔を近づけてきて言った。
「里海ちゃんに手ぇ出したら許さねぇぞ」
「出さねぇよ、今さら。それに、美咲ちゃんの方がかわいいだろ」
翔太はフッと笑って言った。
「バカ野郎。あれは神だ。いくら頑張っても届かねぇよ」
翔太に言われ、ちょっとムカついた。
確かにそうかもしれないが、自分よりモテないやつに言われたくない。
「よし、俺がアドレスゲットしてやる」
「あー無理無理、止めとけって」
「そんなのやってみねぇとわかんねぇだろ。チャンスはある」
そんな話をしているうちに学校に着いた。
靴を履き替え、教室へ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!