第1章

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教室の戸を開け、中に入った。 授業開始90分前、教室内は生徒がまだ疎らだ。 机に座っているのは5、6人で、教室の後ろの方で女子が何人か集っている。 普通なら誰もいない時間なのだが、定期テストが近いので、朝早くに学校へ来て勉強する生徒がいるのだ。 山本海人(ヤマモトカイト)は自分の席に着くと、腕に顔を埋めて寝始めた。 海人は、地元の進学校に通う高校2年生。 普段はバスケ部の朝練があり、チャイムが鳴る5分ほど前に教室に入る。 今はテスト期間なので部活動は一切禁止されているということを忘れていて、今日はこんなに早い時間に来てしまった。 別に勉強するつもりで来たわけではないし、少し眠いので寝ることにした。
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