第1章

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海人が眠りにつきかけていた、その時、机の前で誰かが立ち止まった気配がしたので顔を上げた。 クラス会長の早苗だった。 「ねぇ、そこ私の席なんだけど」 今日も相変わらず不機嫌そうな声だ。 海人に対してはなぜかいつも不機嫌になるのだ。 腕組みをして、海人を見下ろしている。 「あ? 何言ってんだよ」 「席替えしたの、一昨日、あんたが休んでる間に」 海人は風邪で学校を2日間休んでいたので、学校に来るのは3日ぶりだ。 早苗に言われ、教室内を見回してみた。 なるほど確かによく見ると、他の生徒の席が変わっている。
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