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しかし、眠りにつきかけたところで、背中をど突かれ、再び起こされた。
振り向くと、いつの間にか後ろの席に岡田涼介(オカダリョウスケ)が座っていた。
涼介とは2年連続で同じクラスで、部活も同じバスケ部なので、何かといつも連んでいる。
「よう、治ったのか?」
「知らん。熱は下がった」
海人は壁にもたれ掛かった。
涼介はバッグから教科書を取り出し、パラパラと捲り始めた。
海人も涼介も成績は学年320人中10~30位の間をさ迷っており、一応上位につけている。
「おまえがこんな早い時間に教室にいるなんて珍しいな。なんかあったのか?」
涼介は教科書を見ながら訊いてきた。
「別に」
「朝練やるつもりで学校に来たら、テスト期間だったってところか」
「わかってるんなら訊くなよ」
海人もバッグから教科書を取り出し、パラパラとページをめくる。
読むというよりは、ただ開いて眺めているだけだ。
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