第1章

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「当たり前だろ。それがどうした?」 涼介はすでに聞く耳持たずといった感じなので、期待はしていないが代わりに訊き返してやった。 すると健志郎はポケットから5枚の紙切れを取り出し、こちらに突きつけて言った。 「見よ、このチケットが目に入らぬかーっ」 健志郎の手にあるチケットには“VirtualАce完成披露イベント招待券(プレイヤー)”と書かれていた。 そういえば、先週辺りからイベントでのプレイヤーを公募していた。 「ゲッ、マジかよ」 海人は身を乗り出して、健志郎の手からチケットを1枚取った。 涼介もチケットを1枚取り、それをまじまじと見つめて訊いた。 「本物か?」 「当たり前だ」 「くれるのか?」 「ああ、やるよ」 それを聞くと、涼介は立ち上がり、健志郎の首に腕を回して首を絞めた。 「サンキュー、健志郎、さすがだな」 海人も涼介に続いて健志郎に飛び付いた。 「スゲーな、おまえ、たまには役に立つじゃん」 そして健志郎の茶色に染められた髪をぐしゃぐしゃにしてやった。 「おい、やめろ、せっかくセットして…おい」
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