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「当たり前だろ。それがどうした?」
涼介はすでに聞く耳持たずといった感じなので、期待はしていないが代わりに訊き返してやった。
すると健志郎はポケットから5枚の紙切れを取り出し、こちらに突きつけて言った。
「見よ、このチケットが目に入らぬかーっ」
健志郎の手にあるチケットには“VirtualАce完成披露イベント招待券(プレイヤー)”と書かれていた。
そういえば、先週辺りからイベントでのプレイヤーを公募していた。
「ゲッ、マジかよ」
海人は身を乗り出して、健志郎の手からチケットを1枚取った。
涼介もチケットを1枚取り、それをまじまじと見つめて訊いた。
「本物か?」
「当たり前だ」
「くれるのか?」
「ああ、やるよ」
それを聞くと、涼介は立ち上がり、健志郎の首に腕を回して首を絞めた。
「サンキュー、健志郎、さすがだな」
海人も涼介に続いて健志郎に飛び付いた。
「スゲーな、おまえ、たまには役に立つじゃん」
そして健志郎の茶色に染められた髪をぐしゃぐしゃにしてやった。
「おい、やめろ、せっかくセットして…おい」
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