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1:09。 あと1分。私は何故か冷や汗をかいて、心臓がバクバクしていた。だが、こんな切羽詰まった時に私は冷静だった。全神経を携帯の画面に集中させた。
そして見つけた…数字だ。数字はたしかにこの中に9つしかない。しかし、なかなかそこから先に進めなかった。だが、ここで更に私に天啓が下った。
「数字の後」
そう、数字はそのあと何字先に答えがあるかを示しているのでは?そうなると、最初の1が示すのは「e」だ。じゃあ次の4は「s」… こうして、私はこんな文字を導き出した。
e s c a p e n o w
escapenow…Escape now
「すぐ逃げろ」!?
私は戦慄した。友人は未だに戻らない。もしかして、10分以内に家から「逃げなかった」からではないのか?もう悪戯とは思えなかった。
時計を見た。ちょうど1:10を回ったところだった。時間がもう来てる!
逃げなくては…私は玄関に走った。
しかし、ドアノブに手をかけ、想像してしまう。もしドアの向こうに…いたら…しかし、ここにいては同じことだ。私は意を決してドアを開けた!
そこには誰もいなかった。まだ間に合う!
私は鍵もかけずに外に飛び出し、外の通路を走り、階段を駆け下り、近くのコンビニに急いだ。そこがゴールに思えたのだ。
静かな夜の住宅街に、私の走る足音が響いた。逃げ切れる。私は安堵していた。
そして、あと2つ角を曲がったらコンビニだというところで、メールが来た。
もしかして、もしかして友人が戻ってきたのか?そして電話に出ない私を心配してくれているのか?何も起きなかったのか?
私は携帯を開いた。差出人は10分前のメールのアドレスだった。こう書かれていた。
G A M E O V E R
そして、
後ろから、肩を掴まれた
『今朝、〇〇市の路上で右肩から右腕にかけてをもぎ取られた遺体、マンションの玄関前で首が無くなっている遺体が発見されました。
どちらも携帯電話を握りしめており、同じ差出人から、同じ内容のメールが送られていて…』
「へぇ…」
夜11時。僕はテレビでこのニュースを知った。
「メールねぇ…」
ブルルルルルッ
携帯にメールが来た。しかし、差出人は知らない奴だった。内容は訳の分からない文字の羅列の後、「10分以内にメッセージを探せ」というものだった。
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