第二十四話:『妄執の末路』

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玻璃崎燕は身を仰け反らせる程の高笑いをしたかと思うと、急に真顔になって室町へ視線を移す。 「どーすんだ、アタマァブッ飛ばすのと、廃人と好きな方選んでいいぜ?」 「……分かりました」 室町は思案の後に呟き、一歩前に進み出た。 凄まじい空気の歪みに、獅島は身体が千切れそうになる感覚を抱く。 その直後、室町の掌に透き通る小さな結晶が二つ姿を現した。 「持って行きなさい」 「可愛いトコロあるじゃないか。そんなにコイツが大事かい?」 抑揚の無い声で呟く室町を嘲笑混じりに見遣る玻璃崎。 結晶を乗せた手を差し出すスバルに、玻璃崎は眉を吊り上げた。 「投げて渡しな!」 動こうとしない室町を一喝する。 「テメーに触れたらロクなことがねェのは解ってんだよ!」 「賢しい……!」 鋭い語気で言い放つ玻璃崎に舌打ちし、室町は渋々結晶を放り投げた。 緩やかな放物線を描き、透き通る小さな結晶は室町の手を離れ玻璃崎に投げ渡される。 「よぅし、良い子。そんじゃあ」 玻璃崎は薄笑いを浮かべて呟くと、獅島を囲った『ブロック』を急速に縮ませ始めた。 「ぐあッ……!」 圧縮される空間に締め付けられ、獅島から苦痛の悲鳴が吐き出される。 「約束が違います!」 「そうだっけかァ?!」 激昂する室町へすかさず銃弾を放つ玻璃崎。 精神を揺さぶられた室町は防御もままならず、脇腹に朱を散らせた。 「やっぱり頂けるモンは頂かねえとなあ?」 「ツバメちゃん……貴女って人は……」 耳障りな高笑いが、室町の言葉を掻き消す。
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