第二十四話:『妄執の末路』

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リボルバーが火を吹き、玻璃崎に襲い掛かる。 「クソがッ!」 玻璃崎も俊敏にそれへ反応し、『ブロック』を巧みに操り次々と軌道を変える弾丸を防いだ。 「私は単純に、力によって玻璃崎を制圧する……『特務機関』の面子に掛けてな」 「羽葉木、アンタ……」 「急げよ、獅島」 微かな笑みを浮かべた羽葉木に頷き、獅島が立ち上がる。 「カレン、お前を春河都季雄の妄執から解放してやる」 「コウ……」 室町は寂し気な視線で獅島を一瞥すると、大股で横をすり抜け羽葉木を押し退けた。 「室町?」 「もう、始まっているから……止めることなんてできないんです」 室町は力無く呟くと、そのまま玻璃崎に接近した。 「くっ……来るんじゃあねぇ!」 例えようの無い威圧感を受け、怯えるように叫ぶ玻璃崎。 それは防衛本能なのだろうか、咄嗟に『念動力』を室町へぶつける。 「骨までひしゃげてブッ潰れろォォッ!」 悲鳴にも似た絶叫と共に、力の塊が室町を襲う。 室町はそれに手を伸ばすと、真正面から膨大な破壊の力を受け止めた。 「……捕まえた」 呟いた室町の小さな手に、力が吸い取られていく。 刹那。 「ひっ……」 玻璃崎の身体から、小さな結晶が次々と排出されて室町の身体に吸い込まれる。 「何、何でッ……?!」 凄まじい迄の吸引力は衰えを知らず、遂には玻璃崎の精神までもが肉体を飛び出し、室町の掌へ向かい始めた。 「13の力は、私に集まる運命……」
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