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―翌日―
[いつまで寝ているつもり?早く起きないと遅刻だぞ。眠たいのはわかるけど、頑張って起きないと後で後悔するのは自分だから…さぁ、起きろ]
『んぅう……』
携帯のアラーム用にと設定されている杉田さんボイスが流れる。まだ眠気から覚めない頭で視界がぽーとする。抱きしめていた雲雀さんクッション(痛いとか言わないで!)を置こうとした時、ふと違和感に気づいた。
『んん…、なんか暖かいしデカくない…?』
自分が抱きしめていたクッションは、約30~40cmの細長いもの。でも、今抱きしめているのは自分よりもデカい気がした。
『てか…暖かいとか言う前になんか聞こえるし…』
朝からホラーとか嫌なんだけど…と内心呟いて、寝ぼけまなこを擦り抱きしめていたクッションらしきものを見る。
『………………………』
見てから思わず言葉を失った。抱き締めていたのはクッションじゃなくて…
『………………………雲雀…さん…?いやいや、ナイナイ』
そう、寝ている雲雀さんだった。いや、この場合雲雀さんレイヤー様?兎に角、とてもきれいな人を抱き締めていた。
『え…、幻覚…?(ヤバい、幻覚見えるとか…自分どんだけさ…』
軽く自分の頬を叩き、目を擦る。暫く目を瞑った後ゆっくりと目を開けた。
『Σえっ!?ま、まだ見えるんだけど!!』
何回繰り返してもその人は消える気配が無く、思わず叫び声を上げてしまった。(あ、仕事…)
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