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もしかして、僕たちを助けに一人でここまで来てくれたのだろうか……?
気がつくと、彼女は背を向けて立ち去ろうとしていた。
僕は慌ててその背中に呼び掛ける。
理樹「あっ。 ちょっと待ってよ!」
?「……もうすぐ救助が来ると思うわ。あと十分だけ我慢してね」
理樹「そうじゃなくて、きみはどこに行くの?」
?「……これ以上は用はないからね」
理樹「でも…」
?「……またね、……理樹、くん……」
彼女はそう言って、僕を一瞥
またその悲しそうな目をしてから、その金髪の長髪を靡かせて去っていった。
最後に小さくなった彼女の声が僕の名前を呼んだ気がしたけど、僕はずっと、その場に立ち尽くして彼女の背を見送ることしかできなかった。
その後、彼女の言うとおり十分後には救助の人たちがやってきてくれた。
僕たちは全員助けられ、町の病院へと搬送された。
恭介が重傷だったけど、献上的な応急処置のおかげで命に別状はなかった。
僕や鈴をはじめとして、事故にあったクラスメイト全員が病院に入院することになった。
恭介はもちろん、僕と鈴を庇ってくれた謙悟や真人、それにリトルバスターズのみんなも、助かった。
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