Riki.探し物

6/9
前へ
/150ページ
次へ
真人「こんな時間にか?」 真人の言うとおり、もう外はどっぷりと夜闇に浸かり、寮の規則でもすでに外出は禁じられた時間帯だ。 でも、ノートを取りに行かなくては明日の宿題ができない。 こっそりと学校に侵入して取りに行く方法しかない。 理樹「うん。仕方ないからね……。悪いんだけど、真人……」 僕がなにを言いたいのか、真人はちゃんとわかっていた。 真人「ああ、行ってこい。見回りか何か来ても、俺がなんとか誤魔化しておくからよ」 理樹「ありがとう。助かるよ」 真人「お礼は宿題でいいぜ」 理樹「……はいはい、わかったよ」 僕は溜息を吐くと、真人を部屋に残してこっそりと廊下に出た。 そして夜闇の下の学校へと侵入し、夜の学校という雰囲気があるも、なんとか教室に至る廊下まで来ることに成功した。 理樹「こんなところ、見回りの風紀委員に見つかったら大変だな…。早く戻ろうっと」 風紀に厳しいと評判のウチの学校の風紀委員に警戒しながら、僕は教室に向かって小走りで廊下を駆け抜けようとした。 だけどその時――― ――パンッ!
/150ページ

最初のコメントを投稿しよう!

641人が本棚に入れています
本棚に追加