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真人「こんな時間にか?」
真人の言うとおり、もう外はどっぷりと夜闇に浸かり、寮の規則でもすでに外出は禁じられた時間帯だ。
でも、ノートを取りに行かなくては明日の宿題ができない。
こっそりと学校に侵入して取りに行く方法しかない。
理樹「うん。仕方ないからね……。悪いんだけど、真人……」
僕がなにを言いたいのか、真人はちゃんとわかっていた。
真人「ああ、行ってこい。見回りか何か来ても、俺がなんとか誤魔化しておくからよ」
理樹「ありがとう。助かるよ」
真人「お礼は宿題でいいぜ」
理樹「……はいはい、わかったよ」
僕は溜息を吐くと、真人を部屋に残してこっそりと廊下に出た。
そして夜闇の下の学校へと侵入し、夜の学校という雰囲気があるも、なんとか教室に至る廊下まで来ることに成功した。
理樹「こんなところ、見回りの風紀委員に見つかったら大変だな…。早く戻ろうっと」
風紀に厳しいと評判のウチの学校の風紀委員に警戒しながら、僕は教室に向かって小走りで廊下を駆け抜けようとした。
だけどその時―――
――パンッ!
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