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そして目の前には
よく分からない'モノ'がある。
アメーバみたいな形で、背景真っ白の中、似合わぬ真っ黒の色をしていた。
『……モンスター?』
「はい?」
『え、だって真っ黒だし…』
「聞き捨てならないですね…私は言わば妖精のようなものなんですよ、恵さん」
『自分で妖精とか言っちゃう感じですか
…あれ?妖精さん、なんで私の名前を知ってるの?』
なんだかよく分からない。
「それは、貴方を'この世界'に連れてきたのは私だからです。」
『………え?』
'この世界'とは、どういうことだろうか?
まず、今はどこにいるのだろう?
『…妖精さん、ここは一体どこなんですか?
私は死んだのですか?』
ついさっきまでボケまくりだったが、急に落ち着いた恵。
場の空気を読むことは得意技だ。
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