3738人が本棚に入れています
本棚に追加
気の抜ける笑みを浮かべる恵。
『…逃げるが勝ち!!』
「待て貴様ぁあ!!」
取りあえず逃げる!
と判断した恵は、行く当てもないまま全力で駆け出した。
「逃げ足速っ!」
短距離だけなら自信があり、とにかくひたすら走った。
体力は人並み以下だから
早いうちに振り切らないと、絶対絶命だ。
『(や、ヤバい…久しぶりに走ったからもう限界かも!!)』
既に息が上がってきた恵は、辺りを見渡して安全そうな場所を探してみた。
…が、何せ時代が違うから
どこが安全かなんて分からない。
『(あれ?そーいえば私、死なないんだっけ…?)』
ふと、妖精の言葉を思いだし、速度を遅める恵。
『(…でも、やっぱり痛いんだろうなぁ
痛いの嫌だなぁ怖いなぁ)』
「女!やっと斬られる覚悟が出来たか!!」
声に気付き振り向くと、さっきの連中がいた。
『覚悟なんて短時間で出来るわけないじゃないですかー
何なの馬鹿なの死ぬの』
「なっ…き、貴様!武士を愚弄するか!!
もういい、殺っちまえ!!」
おおお!と雄叫びをあげる男達
死なないなら、こんな相手に脅えなくても平気かもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!