着いちゃいました

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気の抜ける笑みを浮かべる恵。 『…逃げるが勝ち!!』 「待て貴様ぁあ!!」 取りあえず逃げる! と判断した恵は、行く当てもないまま全力で駆け出した。 「逃げ足速っ!」 短距離だけなら自信があり、とにかくひたすら走った。 体力は人並み以下だから 早いうちに振り切らないと、絶対絶命だ。 『(や、ヤバい…久しぶりに走ったからもう限界かも!!)』 既に息が上がってきた恵は、辺りを見渡して安全そうな場所を探してみた。 …が、何せ時代が違うから どこが安全かなんて分からない。 『(あれ?そーいえば私、死なないんだっけ…?)』 ふと、妖精の言葉を思いだし、速度を遅める恵。 『(…でも、やっぱり痛いんだろうなぁ 痛いの嫌だなぁ怖いなぁ)』 「女!やっと斬られる覚悟が出来たか!!」 声に気付き振り向くと、さっきの連中がいた。 『覚悟なんて短時間で出来るわけないじゃないですかー 何なの馬鹿なの死ぬの』 「なっ…き、貴様!武士を愚弄するか!! もういい、殺っちまえ!!」 おおお!と雄叫びをあげる男達 死なないなら、こんな相手に脅えなくても平気かもしれない。
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