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だんだら染めで、浅黄色のような色をした羽織。
これは、まさしく…。
「新選組だぁ!!」
『…新選組!?』
男達は叫ぶと、散々になって逃げ出した。
新選組の先頭に立つ青年は、それを平隊士と思われる男に命令して後を追わせた。
大好きな新選組を生で見れた恵は、驚きと嬉しさで暫くその場から動けなかった。
すると、先頭にいた青年が恵に近付いて来る。
『(…おぉ、美青年!)』
ニッと浮かんだ、人の良さそうな笑みが特徴的だ。
背は高く、ほどよく筋肉がついている。
歳は二十歳を越えて数年といったところだろう。
青年は背の低い恵と同じ目の高さとなるように、屈んだ。
「よォ、無事か?
俺ァ新選組の永倉新八だ」
『(りっ…リアル永倉さん!)』
叫びたくなるのをこらえ、頷いてみせた。
永倉は「そうか」と返すと、恵をジロジロと見てきた。
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