始まり

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…私、死ぬのか。 まだ17年しか生きてないのに こんなことで死ぬの? 夢と現実の狭間で、恵はそんなことを考えていた。 やりたいことだって、いっぱいあるのに…。 由香と二人で旅行して。 みんなで某夢の国に行って。 夢の一人暮らしして…。 父さん、母さん、兄貴。 ……由香…!! まだ、死にたくなんかない。 まだやり残したことがある…! 「………そこのお嬢さん…」 ん?声? …でも死んだし、気のせいか。 『由香さん泣いてるかなー笑ってるかなー …泣いててほしいな!』 「…そこのお嬢さん?」 『…もしかしたら、怒ってるかもしれない 「お前何で死んでるの!?馬鹿じゃないの!?」みたいな』 「…そこの馬鹿!!」 『はい?』 「なんでお嬢さんだと無視して、馬鹿だと返事するんですか」 『そーゆう人だからね …つーか、アンタ誰? そしてここは何処!?』 「気付くの遅すぎですよ。」 いつの間にか、恵は背景真っ白のよく分からない場所にいた。 漫画でキャラが何かを考えるときに出てくるような、そんな感じだ。
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