ズー☆ズー☆ズー

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動物園。 俺の町の動物園。 本能剥き出し動物園。 俺とアサミで動物園。 「・・・ゴメン。」 謝った。 アサミの表情はうつ向いて見えないけど、この腹の痛み、怒ってるにきまってる。 俺何してんだろな・・・ずっと好きだったのに、挑発にのるなんて馬鹿すぎだぁぁぁぁ。 向き合う俺らの影は、長く伸びて、閉園時間が近い事を教えてくれた。 もう、終りだ。 「帰るか。」 傷心を隠しながら、俺は門に向かった。 「・・・私。」 振り向くと、うつ向いたまま、スカートをギュッと握るアサミがいた。 「私・・・30㎝なんて・・・」 「それはゴメンつうか・・・。」 やっぱり、冗談でもキツイ下ネタだったよな。 嫌われた・・・。 「本当にゴメン・・・」 すると、アサミが顔を上げ真っ直ぐ俺を見た。 「30㎝なんて入らないけど、頑張るから!」 「!?」 動物園。 動物観察、動物園。 でも観察されてたのはどうやら俺ら。 気付くと、マンドリルが「よかったな」と笑って俺らを見ていたし、象の屁の祝砲も聞こえてきた。
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