ズー☆ズー☆ズー

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カバのプールはウ○コで濁り、サルはストレスで禿げていた。 ヤギはよく見りゃ、瞳のところ、横長なんだな!ちょっと怖ぇし。 カンガルーは俺ん家の親父よりオッサンくさく寝てた。 動物園。 ショボい、ボロい動物園。 俺達の町の動物園。 そこには、目玉な動物はいないけど、狭い檻の中で、一生懸命生きてる動物がいる。 俺の初デートの場所。 ロマンチックな妄想がことごとく打ち砕かれた後に残ったのは、‘生きる’生々しさ。 アサミもだんだん現実が見えてきたのか、ラクダの脱糞に苦笑し、愛想なく寝ているライオンを暖かく見守っていた。 どんなに可愛い子だってウ○コするし、イケメンだって服脱ぎゃフリ○ンだし。 ストレス抱えたり、グダグダしたり。 生きるって、・・・忙しいな。 「ちょっと檻は狭いけど許してくれよ~。俺、将来、税金払って、少しは動物園に貢献するからさ。それまでお前ら、長生きしてくれよ~。」 「そうだねぇ。私、・・・受験終わったら・・・ボランティア、しようかな。」 マンドリル舎の前、ふいにアサミは俺を見た。 その目は優しくて、しっかりしてて。 俺の好きなアサミだった。
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