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「アサミ・・・。」
夕焼け蝉の声。
やけつく暑さはじんわりと柔らかくなっていて。
マンドリルが檻の向こうで笑っている。
アサミは俺を見つめたまま、はっきりと続ける。
「ね・・・、もし、さ、二人とも受験が上手くいったら・・・ボランティアしない?・・・い、一緒に・・・。」
赤いのは、夕焼けのせいか。
マンドリルに対抗するためか。
蝉の声。
ニヤニヤマンドリル。
「あ、アサミ・・・、俺、・・・俺さ、ずっと、一年の頃からお前のこと・・・」
「ギャハハ!!」
「マンドリルだ!マンドリル!」
「マ○コが好きだからマンドリルじゃね!?」
「マ○コドリル!ギャハハ!」
「ウヘへ!ならチン○が好きならチンドリル!ウシャシャ!!!」
っ!
最
悪
だ
後ろから状況も察せず現れたのは、入り口で出会ったガキ集団。
動けない俺らの横に陣取ると、マンドリルに威嚇。
檻に絡まり「シャー!」とか、お前ら、マンドリルよりサルだ・・・。
あまりの事に、言葉を失った俺だが、はっとして見ると、アサミも呆然としていた。
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