恋する女

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† そして男の傍らに落ちている、赤い、赤い林檎。 人造人間は、それを手にとると、一口かじりました。 赤い魂は、これだったんだ。 かじればかじる程溢れる涙、切ない気持ち、男への恋心。 更にかじっては、男の口へと流し込み、実が無くなるまで、それを繰り返しました。 私達、疲れたんだね、一緒に休もう。 人造人間はそう、呟くと、研究所の奥の、巨大カプセルに男を入れました。 おやすみ、アダム、今度起きたら、一緒に快楽園に行きたいな。 そう、カプセル越しにアダムに呟いて、自分も巨大カプセルの中に帰る様に、入っていきました。 私は未來のイヴ。 禁断を犯した私達の神になるのは 貴方かしら。 †
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