発明

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† そして城の地下深く、博士の研究室はありました。 ここは、国の科学者は愚か、王様でさえ立ち入ることは許されない、博士だけの研究所。 ぽたぽたと液体の滴り落ちる音と、無機質な機械音が、地下に響きます。 博士が歩くごとに水が跳ね、そして散らばった機械片が、塵と化します。 おかえりなさい、博士。 薄暗い、不気味な研究所に、似つかわしくない、か細い女の声が響きます。 おお、私のイヴよ。 博士が気味の悪い笑みを浮かべて、か細い声の主へ近付きます。 そう、彼女は人造人間。 ちょうど一週間前ほど、博士に作られたものでした。 †
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