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「おい、そろそろ止めねぇとそいつ死ぬぞ。」
土方にそう言われ、風ははっと雷を見た。
雷は顔を真っ青にしてぐったりしていた。
「きゃ―!!
らーちゃん!一体誰がこんな事を!!」
「お前だ、馬鹿。」
自分がやった事に気がついてない風に、土方が言う。
ここで怖いのは風が本気で言っている事だった。
「初対面の人に向かって、馬鹿って失礼じゃない?!………………ですか?!
って、こんな事言ってる場合じゃなかった!
らーちゃん!さっきの詳しく説明して!」
「うん、実はね………」
何とか回復した雷は、小声で風だけに聞こえるように言った。
「あのね、ここは多分、幕末の京都だと思うんだ。」
「えぇ?!
って、それはさっき聞いたよ?」
「こっ声が大きいよ!
あのね、この目の前にいる人達はね、幕末京都で活躍した人達なんだ。
……………新撰組って知ってる?」
「しんせんぐみ…?」
「うん、近藤勇って…………知ってないよね。」
「うん!!」
元気に返答する風に対して、雷は小さく溜め息をついた。
「とりあえず、ここが江戸時代の京都だって事は分かったよ!
で、どうやって帰るの?」
「それは……分からない…………」
「えぇ―――――?!」
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