プロローグ

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目が合ってから時間が止まったような錯覚に陥った。 髪は短めで今時の髪型だが、珍しく綺麗な黒色をしている。 顔は綺麗な顔立ちをしており少し悲しげな瞳が印象的だ。ネクタイが青色なので三年生だということが分かった。 わぁ~、こんなにかっこいい人初めて見ました。かっこいいというか綺麗というか... 言葉では言い表せない。 でも、なんであんなに悲しそうな顔をしているのだろう? そんなことを考えていると授業の始まりを知らせるチャイムの音が聞こえてきた。 ハッと我に返りまた走り出そうとした時にはあの綺麗な人はもうこちらを見ていなくて、また桜の木を眺めていた。 その姿に一瞬見とれてしまったが、チャイムの音を思い出し慌てて持っていた携帯で時間を確認してからまた走り出した。 この時、綺麗な人が私を見ていたなんて知らずに...
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