第一章

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ふいにその男子が問いかけてくる。 「あれ、君1人?」 ニコッと笑いながら私に聞いてきた。 髪は茶色でワックスで遊ばせており、ちらっと見えた左耳にはピアスが2つ輝いている。顔は整っており、俗に言うかっこいい人に入ると思う。 「あ、はい。」 なんか、人懐っこい感じだな。それが彼の第一印象だった。 「そっか、まだ入学式やってるんだっけ?」 猫くん(人懐っこい感じが猫みたいだから私が勝手に命名した)はそう問いかけながら私の前の席に座った。 「多分、そうだと思います。」 私がそう答えると 「あ、俺の名前は香山俊樹(カヤマ トシキ)。ちなみに君の隣の席。」 「へっ?」 急な自己紹介についていけず変な声を出してしまった。しかも、黒板みてないのになんで席が分かったんだろう? そんなことを真剣に考えている私は違う世界に旅行中。 「あっはっはっ。」 急に笑い声が聞こえてきたので疑問を振り払い、旅行を中断して笑い声の主である猫くん改め香山くんを見た。
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