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この街にある人通りの少ない交差点を曲がり、そのまま道沿いに進むとそれは有った。
死神の祭壇。
すぐに中に入って辺りを見回すと、そこには無数の白骨死体や、真新しい人の変死体が転がっていた。
「うっ………。」
桐人は目を覆った。
「……………。」
千里は気を失って倒れてしまった。
「千里!?無理も無いか……こんなの見たらな……。」
桐人は千里を背中に抱えて奥に向かった。
すると薄気味悪い祭壇がそこにあった。
「人…………?」
桐人には確かにそう見えた。
目の前に見えるのは確かに巫女服を着た人間の少女だからだ。
「…………。」
「お前が祭壇の巫女なんだろ?
俺に力をくれ!」
「……力を求めるの……?」
桐人は小さく頷いた。
「私の力。夢幻は……あなたが思っているほど甘くは無いわ。」
「それでも良い。」
「見上げた根性ね………今までこの夢幻で生き残った人間はほとんどいないのよ……?」
「なら俺がその数人の内の一人になってやるよ。」
「何を言っても聞かないようね……………分かったわ…………。
死神に仕えし巫女、茜の名において……かの者に力を与えるための試練を与えたまえ…………。
夢幻!…………」
「なっ……!?」
その言葉を聞いた瞬間、桐人はその場に倒れた。
「…………。」
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