24人が本棚に入れています
本棚に追加
千里が目を覚ますと、目の前には死んだように動かない桐人がいた。
千里は絶句した。
「嘘……だよね?」
千里は戸惑いを隠せない。
何故なら目の前の桐人の体は冷たく、脈も完全に止まり、微動だにしない。
完全に死んだ状態だからだ………。
「あなた……何したの?」
「……………さぁね?」
「悪魔…………あなたは何も感じないの!?」
「…………何が?」
「人の命をこんなに簡単に奪って……あなたは何も思わないの!?」
「私だって辛い……。」
「ならなんで!?
止めれば良いじゃない。」
「あなたは私に死ねって言うの?」
「……………!?」
「……それに、心配しなくても彼はまだ生きてるわ……」
「それじゃあ何で!?」
「彼は今……私が与えた試練を受けているの。
彼は、これを自分で望んだのよ………。」
「そんな………。」
「……彼は言った。
大切な人を守る力が欲しいって。」
「……………。」
「今は待つしかないわ……。
生きるか死ぬかは彼の心の強さ次第だもの……。」
「桐人君………。」
最初のコメントを投稿しよう!