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「俺、まっすーのこと…」
その言葉を遮るように屋上の扉が開いた。
「錦戸くん……」
亮くんは、俺からまっすーを離して抱きしめた。
「まっすー、ごめん!
最初は確かにそう思ってた。
けどはっきり分かった。
俺はまっすーが好きやねん。」
「錦戸くんっ……」
俺は屋上をあとにした。
やっぱりまっすーは、俺との未来なんて、これぽっちも考えてなかったんだろうな…なんて。
俺、失恋してる。かっこわりぃ…。
てかまっすーを想ってる時点で失恋か。
――-後日
「手越、おはよ!」
まっすーはいつもの笑顔で登場した。
「この間はごめんね。迷惑かけて…
あ、そーいえば、手越、おれに
『俺、まっすーのこと…』って
何か言おうとしなかった?」
「あれは、
『俺、まっすーのこと…ずっと親友だと思ってるから。』って言おうとした。」
「そっか!ありがとう!
おれも手越のこと親友だと思ってるからね!」
そんな笑顔で言われたら、
俺の本当の想いなんて言えるわけないじゃん。
まっすーに1つ嘘をついた。
END
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