607人が本棚に入れています
本棚に追加
すると君は俺を抱きしめたまま話始めた。
「僕、怖いんだ。
いつか亮くんが居なくなっちゃうんじゃないか、って。
だからね、お願い、離れていかないで。
亮くんがいなきゃ、僕、
生きてる意味なんてないんだから。」
そして君はまた静かに涙を流すのだ。
「大丈夫、離れてなんかいかへんよ。」
すると俺の答えに安心したのか、君はにこりと笑った。
俺が君を離すわけないだろ。
この行為をしている限り、
君は俺から離れられないでしょ?
俺は君の優しさを利用してるんだよ。
でもね、俺はまだ
君の優しさに溺れていたいんだ。
だから、離してなんかあげない。
君が俺を必要としなくなっても離してあげないよ。
左腕から、一滴の紅い血が流れ落ちた。
END
最初のコメントを投稿しよう!