溢れる紅

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すると君は俺を抱きしめたまま話始めた。 「僕、怖いんだ。  いつか亮くんが居なくなっちゃうんじゃないか、って。  だからね、お願い、離れていかないで。  亮くんがいなきゃ、僕、  生きてる意味なんてないんだから。」 そして君はまた静かに涙を流すのだ。 「大丈夫、離れてなんかいかへんよ。」 すると俺の答えに安心したのか、君はにこりと笑った。 俺が君を離すわけないだろ。 この行為をしている限り、 君は俺から離れられないでしょ? 俺は君の優しさを利用してるんだよ。 でもね、俺はまだ 君の優しさに溺れていたいんだ。 だから、離してなんかあげない。 君が俺を必要としなくなっても離してあげないよ。 左腕から、一滴の紅い血が流れ落ちた。 END
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