初日

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「おはよう」 「あら、おはよう。早いのね。さては緊張して起きちゃったわねぇ。 ああっもう!いつからそんな肝っ玉の小さい子になっちゃったのかしら」 朝からテンション高めでそう言うのはオレの母親だ。 「勝手な事言うなよ、ただ準備はしっかりと思っただけさ」 「言い訳したってムダよ、誰の子供だと思ってんの。あの父さんの子よ、チビらないわけがないわよ。 大体お父さんったらこの前だってねぇ――」 「あ~、顔洗ってくる」 「ちょっ…もう。朝ごはんももうすぐできるわよ」 危ない危ない、朝から母さんの長話しに付き合わされるところだった。 そう、うちの母親はよくしゃべる。 何でもご近所さんとの世間話で、朝から晩まで表で一方的にしゃべってたらしい…。 父親は無口なのにな…。 だから合ったのかな。 それはいいとして準備準備~。 ……… 「はい、行ってらっしゃい。早く彼女作って話しに花を咲かせるのよ」 どうしてそうなるんですか? 話しのネタが欲しいんですか? 「まぁ、行って来るよ」
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