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柳ヶ浦高校は家から歩いて15分くらいの少し丘の上の微妙な距離のところにある。
自転車でも逆にきつく、バスで通う程の距離でもない。
これから3年間、夏は太陽に照らされ、冬は北風にあおられながら通学するわけだ。
制服は紺色ブレザーに男子はグレーの生地に白黒の千鳥柄のズボン。女子はそのスカートだ。
まぁ、見た目は悪くないと思う。
「誠二、おはよ~」
「おう、美香。おはよ」
今声を掛けてきたのは家が近所の、そう、俗にいう幼なじみの川口 美香(カワグチ ミカ)だ。
うちの母親の口撃を受けた母親をもつ。
「誠二、今日早いよね?」
「そっちこそ、だよ」
「緊張してね、早起きしちゃった」
「美香もか。オレもなんだよな~。入学式で緊張しないやつなんかいるのかな?」
「あはは、どうなんだろうね」
バンッ!
「おっはよー!お二人さん!」
ここにいた。
背中を叩きながら朝からハイテンションで声を掛けてきたのはこれまた幼なじみの堀川 勇介(ホリカワ ユウスケ)。
一応親友かな。
なんとも能天気な性格で女好きな奴だ。
たまにその性格が頼りになったりならなかったり~な感じで、何かといつも一緒にいる奴だ。
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