文化祭《悪夢の始まり》

5/14
前へ
/183ページ
次へ
正門へ向かう途中、私は慎一に質問した。 『ねぇ、妹さんって性格とか顔とか慎一に似てるの?』 慎一は少し考えながら答えた 『顔は…全く似てないなぁ…。友達とかにも本当に兄妹かって聞かれるし…性格も妹の方が元気だな。でも優しいし、気が利くヤツだよ。って妹バカだな』 そう言いながら苦笑いした。 『へー…仲良くなれるかな?』 私は自分の中の不安を伝えると慎一は優しく笑い 『大丈夫だよ。俺の大切な彼女だって言ってあるし、歳も一個違いだから仲良くなれるよ。』 そう言って優しく頭を撫でてくれた。 私はそれだけで安心し、全てが上手く行くように思えた。 そして校門に近付くと1人の女の子が立っていた。 その子は遠くからでも分かる程の美しい顔立ちをしていた。 …あんな綺麗な子がいるんだ… そう思いながら歩いていると慎一が 『あ、あれが俺の妹。』 そう言って女の子を指差した。 私は、予想外過ぎて一瞬止まり 『え…』っと聞き返してしまった。 それ程に兄と妹は似ていなかったのだ。
/183ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1212人が本棚に入れています
本棚に追加