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さっそく3人で歩き出したが思うようには進めなかった。
そう
樹里ちゃんが目立ち過ぎているのだ。
少し歩くと慎一の友達や先輩が寄ってきては
『この美人な子誰?』
と聞いてきて妹だと紹介すると皆が騒ぎ出す。
そして樹里ちゃんも兄の友達や先輩だからと気を使って話しかけられたら返事をするから一回止まると最低10分は動け無かった。
終いには口コミで伝わったのか樹里ちゃんを探してまで見に来る人までいた。
その間、私は放ったらかし…
彼女なのに…
私の時は誰も何も言ってこなかったのに…
そんな気持ちにもなってきた。
でも、これだけ綺麗なら騒ぎになっても仕方ない…そう思って私は我慢した。
…明日になったら2人で周れるんだから。
今日の主役は樹里ちゃんなんだ。
そう自分に言い聞かせた。
どれだけ時間が経ったのだろう…
まだ一つも展示物を見れていない…
そう思い出した頃、樹里ちゃんが私に近寄って来た。
『明日実さん、ゴメンね。3人で楽しむはずだったのに慎君の友達の相手ばっかりで。』
そう言って可愛くゴメンのポーズをしてきた。
そして私が『気にしないで』と言おうとした瞬間に
『だから明日実さん別行動したらどうかな?友達とかと居る方が絶対に楽しいし樹里、まだ皆と話さなきゃいけないみたいだし、慎君も樹里からは離れられないからさ。』
と言ってきた。
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