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そう言われると私はムッとした。
何で彼女の私が慎一から離れなきゃいけないの?
そりゃ樹里ちゃんは学校の生徒じゃないから1人には出来ないけど、私が邪魔みたい…
そう思ってしまった。
私は気持ちが顔に出ないように気を付けながら
『私は大丈夫。気にしないで話してきて。今日は3人で周れる約束だし…落ち着くまでは待つから。』
そう言って笑いかけた。
すると樹里ちゃんは一瞬だけ…気のせいかもしれないけど、凄く冷たい目をした。
だけど、すぐに笑顔になり
『そう?じゃあ慎君にも言ってすぐに戻ってくるから、もう少しだけ待っててね!』
そう言い残して慎一達の元に戻って行った。
それから更に30分後…
やっと2人は私が待つ所に戻って来てくれた。
慎一は凄く申し訳なさそうに謝ってくれた。
それだけで私は待っていた辛さも我慢できた。
そして3人で歩き出したのだが、私と慎一の間に樹里ちゃんが居るので慎一と思うように話せない。
心なしか私が喋ろうとすると樹里ちゃんが話を被せてくる気がする。
私は黙って話を聞いているしか無かった。
そして気になったのだが樹里ちゃんは慎一を『慎君』と呼んでいる…気になった事は聞かないといれない性格の私は話している2人に聞いてみた。
『ねぇ、樹里ちゃんって慎一を慎君って呼ぶんだね?昔から?』
すると2人は顔を見合わせてから樹里ちゃんが答えた。
『うん。小さい時からお兄ちゃんじゃなくて慎君って呼んでたから…もう癖だね。』
そう言って慎一に『ねー。』と可愛く同意を求めた。
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