ブラコン

文化祭《悪夢の始まり》

『……はい。』

出たは良いが声が出なくて、『はい』と言うだけで精一杯だった。

すると慎一は焦ったように早口で話し始めた。

「明日実？今日は本当にゴメン。メールも電話もしたかったんだけど樹里に携帯を取り上げられてて…今やっと返してもらえたトコなんだ。今日は1人でいたのか？」

1人で…？当たり前じゃん…

そう言いたかったが言葉にはならず私はずっと黙っていた。

その沈黙に更に焦ったのか慎一は

「明日実？なぁ、怒ってるなら何でも言って？」と言ってきた。

私は更に黙り込んでしまったが意を決して言った

『私…そこまで悪い事言ったのかな？何で慎一は樹里ちゃんを止めてくれなかったの？』

それだけ言って私はまた黙った。

慎一は大きく息をついてから話し始めた。