第一章

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 いくら依舞の授業といえど英語は嫌いなので、ここからは依舞の外見を述べてみよう。  ……とは言っても、実際に発音したりはしないけど。  まず、今時の女子高生にしては珍しく、髪の毛を全くいじっていないのだ。染めることもなく、パーマをあてたりもしていない。ただただ真っ直ぐに、漆を幾重にも塗り重ねたかのような髪をしなやかに振っている。  依舞が歩く度にそれは跳ね、頭から背中にかけてを優しく撫でるように揺れる。  続いてはどの辺を述べてみようか……、なんだか僕は変態みたいだな……。  ふと思い、僕は一人苦笑した。
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