第二章

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       Ⅰ  ――ピンポーン  今日も一人寂しく学校に行こうと思っていたところに、チャイムが鳴り響いた。  もしかして、という期待を持って僕は、覗き穴から相手を確認する事もなく戸を開けた。 「依舞!!」 「やあ、こんにちは、久しぶりだね。いかにも俺の名前は伊武だが、君にいきなり呼び捨てにされるほど、友好関係を築いていた記憶は無いよ?」 「お兄……さん」  そう、そこにいたのは依舞のお兄さんだった。名を伊武さんという。  伊武さんは依舞に非常によく似ていて、陳腐な言い方をすればイケメン、というやつだ。
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