第二章

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「依舞が来たと期待させてしまったかな? いやはや申し訳ないね。」  僕は依舞のお兄さんがハッキリ言って苦手だった。  小さい時から付き合いはあるのだが、一緒にいても落ち着かないのだ。  顔が依舞と――依舞が、と言うべきか――とてもよく似ているのに性別が違うからだろうか?  いや、もしかすると一種の嫉妬心からだったかもしれない。  なんにせよ、僕はこの人のことが苦手で、接点は依舞のみ。依舞抜きの状況で会うことなどこれが初めてだった。
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