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あまり黙り込んでいても仕方ない。学校にも行かなきゃいけないし。
「あの……伊武さん、今日はどうしたんですか? そろそろ学校に行く時間なんですけど……」
率直な気持ちから言えば、依舞のことを聞き出したかったのだが、僕の伊武さんに対する苦手意識みたいなものがそれを阻んだ。
「そうか、君はまだ高校生だったね。これは配慮が足りなかったな。しかしなにぶん、俺も依舞の事となると見境が無くなるものでね」
なに……? 依舞のこと……? それなら話は別だ。
依舞のことで見境が無くなるのは僕も同じことなのだから――。
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