第二章

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「伊武さん、依舞は病気かなにかなんですか?」  二人は字こそ違えど読みは一緒なので、なんだか自分でも言ってておかしな気分になる。伊武さんもそれを察してか、クスッと笑い、話を始めた。 「病気、といえば病気なのかもしれないな。とは言っても、肉体的には健康だから心配しなくても良い」 「そうですか、てっきり病気で寝込んでいるのかと思っていました」  最初の二、三日は僕も本気で病気かなにかだと思っていた。けど流石に一週間ともなると勘ぐってしまう。担任も家庭の事情としか言わないし……。
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