第三章

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       Ⅰ  ピンポーンとチャイムが鳴った。  親父は早くも仕事に出ているため、僕が出ないといけない。  枕元に置いてあるケータイで日付と時間を確認すると、今日が学校だと言うことを思い出した。あまりにも早い時間だったので、学校がある平日だということを完全に失念していた。  学校って事は依舞か?  これまで、こんなに早くは迎えに来ていなかった気がするが……。  ケータイを自分が寝ていたベッドに放ると、一直線に部屋を出て階段を下り、玄関の戸を開けた。  またしても覗き穴で確認するのを忘れてしまっていた――。
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