第三章

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「おはようっ!!」  ドアを開けると、元気の良い挨拶が耳に飛び込んできた。  一週間会わなかっただけで、こんなにも懐かしい気分になれるのか……。なんて感慨に耽りながらも、その声が確かに依舞のものであることを確認する。  だけど、僕の脳内はパニック真っ最中だった。レッドシグナルが激しく明滅している。  目の前には、一人の少女がいた。  ルビーを思わせる紅の瞳は、目を合わせるだけで吸い込まれそうになるほどの深遠なる輝きを放っている。
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