第三章

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「うーん、別にどこが悪いってわけでも無いんだけどね。お兄ちゃんもお医者さんも、みんな口を揃えて夏風邪だろうから心配ないって言うからさー……」  依舞はそこまで言うと、なぜか言葉尻を濁した。 「どうした? 変な病気じゃなくて良かったじゃないか。最近はインフルエンザとかも流行ってきてるらしいし、その点で言えば夏風邪だった依舞は不幸中の幸いだろ?」 「うーん、それはそうなんだけど……。けど、夏風邪なんかで瞳の色や髪の色は変わらないよ……。なんか変に誤魔化されてるみたいで、依舞としては逆に不安なんだなー」
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