第三章

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「――依舞?」  依舞の顔も間近に迫った時に、僕はやっとその言葉だけを絞り出した。  紅の瞳は深く美しく、万物を取り込むブラックホールのように静かに煌めいていた。  吸い込まれそうな取り込まれそうな、自我も何もかもを崩壊させかねない様な妖艶な光を放っていた。  そんな風に瞳に見入っていると、さらに依舞は近づいて来た――――。
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