第三章

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       Ⅲ 「ねえねえ、こーちゃん、続きしよっか?」  ゆっくりと顔を上げた依舞がそう言った。  僕だって高校生だ、そう言われて意味が分からないわけない。  依舞に誘われて断れる男子高校生がこの世に何人いるだろうか?  答えは限りなくゼロに近いと思う。  だけど、決してゼロにはならないだろう、僕が高校生である限りは――。 「続きは……しないよ」  依舞は一瞬だけ悲しそうな表情を見せたが、「そっか……」と言うと静かに僕の上から退いた。
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