第三章

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 どうして依舞はいきなりこんな行動に及んだのだろう。  僕だって女の子が揃いも揃って皆清純、だなんだという妄想を語るつもりは一切無い。  そりゃ、恋愛経験だとかには乏しいし、親しく喋れる女子も依舞を含めて二、三人だけど、さすがに高三になってまで夢見る少年じゃいられないのだ。  程良く世の中の良きも悪きも見てきたし、味わってもきた。  ――それでも、依舞の行動の真意が全くわからない。糸口さえ掴めない。  そんな風に心にもやもやを抱えながらも時間は過ぎ、二人で肩を並べて通学路を歩いているわけだ。
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