第三章

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 当然のことながら、僕達の間にはなんだか微妙な空気が漂っていた。  いや、もしかすると微妙な空気を感じていたのは僕だけかもしれないけど……。  そんな疑問を差しはさめるほどに依舞は平素の調子を保っていた。  ともすれば、ここ一時間ほどの記憶を無くしてるんじゃないかと疑ってしまうほどだった。  だが、依舞の「また今度続きしようね!!」という言葉でそんな疑惑は消し飛んだ。  気づけばそこは校門の前で、依舞はお馴染みとなった「今日も一日頑張ろう!!」というセリフを残して校舎へ向かう生徒の波間に消えた。
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