第三章

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 ――――あった。  なにかが今日は違う気がしていたから、そこに依舞の笑顔は無いのかと思った。  だが、実際にはあった、依舞はそこにいた。  ――ただただ赤く赤く赤く赤く赤く赤く赤く赤く赤く赤く赤く赤く紅く紅く紅く紅く紅く赤く紅く赤く赤く紅く紅く赤く赤く紅く赤く赤く赤く紅く紅く紅く赤く赤く赤く紅くアカク!!  教室に入る光は朱に染まっており、さながら夕日の如しだった。  目に痛いほどの赤、ペンキをぶちまけたよう、とでも言えば一番しっくりくるかもしれない。 「やっぱり贖罪無しではダメみたい。どう頑張ってもきれいな存在にはなれないよ……」  依舞が切なげな微笑を浮かべながら、紅の大海のただ中で呟いた。
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