第一章

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 うちによるために長くて急な坂――通称“地獄坂”――を登ってきているから仕方ないといえば仕方ないことなのだけれど。 「そうだな、今日はこの夏一番の猛暑らしいぞ?」 「それホント!? どうりで暑いはずだよー」  今日がこの夏一番の猛暑かどうかなんて、知ったことではないがなんとなく乗っかってみる。 「あーあー、早く秋にならないかなー」 「おいおい、夏休みはいらないのか? 海とかプールとか……」 「まさか、こーちゃんは今年の夏休みに遊ぶつもりなのかな? 私たち高三だよ? 受験生だよー?」  
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